歯科から見た新型コロナウイルス感染症
岡山大学の篠田先生から、歯科から見た新型コロナウイルスについて、論文を書かないかと誘われた。
コロナに罹る人と罹らない人がいる。重症化する人としない人がいる。その差は何か? ワクチンが出来るまでは三密に近寄らないことだが、三密にいても罹る人と罹らない人がいる。その差は自然免疫の差と考える。
自然免疫は20歳くらいから低下してくる。また、体の中に炎症があると低下し、炎症が治まれば回復すると言う。例えば
①歯肉出血が治った妊婦から生まれた赤ちゃんは220グラム体重が回復している。
②専門的な口腔ケアを受けている人はインフルエンザに罹る率が1/10になる。
③手術前に口腔ケアを受けると入院日数が3/4から4/5に減少する。
これらは歯肉出血している(潰瘍がある)場所から細菌が侵入し、抵抗力を弱めていると考える。歯肉出血を止めれば(潰瘍の治癒)、細菌が体の中に入ることは無くなる。
歯肉出血を止める方法は「つまようじ法」である。「つまようじ法」を実践すれば通常の治療と比べて、1週間以内に出血部位が有意に減る。
以上の様な内容だった。JDR 2022 (Review) v17-p82 Countermeasures Against COVID-19 from the Viewpoints of Dental Diseases: Strengthening Innate Immunity with the Toothpick Method of Brushing Tatsuo Watanabe
出版されてから1カ月の間に、アメリカ、イギリス、スイスの出版社から査読をしろと言って論文の要約が届いた。そして、編集者に名を連ねると言う。全部、糖尿病とCOVID-19との関連についての論文だった。その他、何社からは論文を書けと言う誘いもあった。歯科の分野でたくさん(?)の論文を書いてきたが、こんなことは経験したことがなかった。分野が違うと反応が全く異なることに気づかされた。
少なくとも、10人以上の人が僕の論文を読んでくれたと言う事だ。篠田先生にお礼を申し上げる。