コラム

Moving from opinion-based practice to evidence-based medicine.

J. Evidence-based Med.  に載っていた言葉である。権威者(有名人)の意見に従った医療から事実に基づいた医学に変わっている、と言う意味。

「歯周病やインプラント周囲炎は細菌の塊(プラーク)で起こるから、歯ブラシでプラークを取り除けばよい」と言う事を信じて21世紀まで頑張ってきた。歯石を除去するスケーラーはヒポクラテスの時代にすでにあったという。2400年前の治療を今も続けている。プラークを除去すれば歯肉炎は治まるという仮説の基になった事実はSilness and Loe の論文だろうが、その追試は殆どない。昔から言われていたことでもあり、妊婦を使った実験的歯肉炎の結果だから、みんな疑わなかったのだろう。

SRPと宿主強化を目指した「つまようじ法」の術者みがきを比較すると、後者は1週間で歯肉出血は改善するが、SRPでは4週間しても「つまようじ法」の術者みがきの値にまでは改善しなかった。

感染症は宿主と病原体との相互作用で起こる。感染症に罹ってしまった人に対し、感染源を取り除いて自然治癒を期待しても、長期間かかる。宿主強化が出来ればもっと早く治る。

歯肉出血を止めれば、レッドコンプレックスの増殖は抑えられるし、潰瘍が修復されているから出血部位からの細菌の侵入は無くなる。その現象が1週間で起こるってことはすごいことだ。Evidence-based medicine.