歯周病やインプラント周囲炎の原因は歯垢(プラーク)である。だから歯垢を取り除き、着けないようにすればこれらの病気は予防・治療できると思っている。
間違いではないけれど、必要十分条件が整っているわけではない。
感染症は宿主と病原体、感染経路からなると言うのは間違いない。歯周病における歯垢除去は病原体を除去するだけである。宿主と感染経路の概念が抜けている。だからスケーリング・ルートプレーニング、ブラッシング指導を中心とした今の保険治療法は不完全な理論に基づいて実施されている。
スケーリング・ルートプレーニングよりもブラッシングの方が炎症症状を改善できる。何故なら、ブラッシングには歯肉細胞を増殖させる作用があるからだ。即ち宿主を強化できるのである。細胞増殖が最もよく見られるのは、8ミルの太さで10ミリ長のナイロン毛を使うと、200g重、20秒間である。
しかし、この細胞増殖は歯ブラシの毛先が当たっている所に限られる。歯周病は歯間部から起こり、歯間部で頻発するので、歯ブラシの毛先を歯間部に届かせなければ効果は出ない。
細胞増殖が起こると歯周ポケット内の潰瘍が修復され、歯肉出血は急激に減少し、炎症性細胞も減っていく。口腔内細菌の血中移行も抑えられる。
歯肉出血が減るとレッドコンプッレクスの増殖は抑えられる。
TBIとSRPだけを信じていたのでは、なかなか歯周病・インプラント周囲炎は治癒しないし、予防もできない。何故、この治療法が推奨されているのだろうか? その根拠はどこにあるのだろうか?
エセ科学
本物に見せかけた科学。それが似非(エセ)科学。
科学
狭義の科学とは、特に自然の事物、事象について観察、実験等の手法によって原理、法則を見出すいわゆる自然科学およびそれに係る技術を言い、その進行によって国民生活の向上、社会の発展等が図られるものである。