コラム

歯肉出血ゼロに

ブラッシング時の歯肉出血がある症例では歯周病はアクティブである。いつでも進行する可能性がある。

歯肉出血は外出血で、上皮が破れている(潰瘍)。血液成分が歯周ポケット内に出ているので、レッドコンプレックスの格好の棲み家になっている。体の抵抗力が落ちたら、レッドコンプレックスに押されて症状が現れる。歯肉出血をゼロにすれば、レッドコンプレックスの増殖は抑えられ、健康な状態に復帰する。

歯肉出血は外出血で、破れた上皮から口腔内細菌は血中に移行しやすい。それらの細菌は全身をめぐり、恰好な臓器・場所で定着・増殖する。その故、様々な疾患の悪化に関与する可能性がある。歯肉出血をゼロにすれば、口腔内細菌の血中移行は抑えることが出来る。

歯肉出血をゼロにするには、歯周ポケットの潰瘍を修復することである。歯周ポケット上皮を増殖させればよい。歯肉を歯ブラシで刺激すれば歯周ポケット上皮細胞が2倍分裂することが分かっている。しかし、細胞が増殖する部位は歯ブラシが当たっている場所に限られている。炎症の初発部位て、多発部位である歯間部歯肉の歯周ポケットの潰瘍を治すためには、歯ブラシの毛先を歯間部に突っ込むことである。

細胞が最も増殖する条件は、8ミル径で11ミリ長のナイロン毛の歯ブラシの場合は、200g重、20秒間である。