歯周病と動脈硬化の関連については以前から言われていた。それが最近、歯周治療をすることで動脈硬化につながるリスクを軽減できる可能性があると言う論文が出てきたという(Gum disease treatment slows the thickening of arteries, clinical trial shows News By Sophie Berdugo published 。
重度の歯周病を治療すると動脈硬化につながる「頸動脈の肥厚」を遅らせることが出来るとも言われ出した(Article PDF Available Periodontitis treatment and progression of carotid intima-media thickness: a randomized trial August 2025 European Heart Journal DOI:10.1093/eurheartj/ehaf555 License CC BY 4.0 Authors: Marco Orlandi University College London)。
口腔内の健康と慢性疾患には強い相関があることから、歯を磨くと寿命が延びるかも、・・・・(Business Insider Japan, May 18, 2025, 8:30 AM, Kim Schewitz )という記事も出てきた。
妊婦の歯周病と低体重児出産・早期産の関係は周知の事実だが、通常の歯周治療では必ずしも成果が確認できていない。しかし、歯肉強化療法(つまようじ法ブラッシング)では、ほぼ確実に成果が得られそうである(Takeuchi et al., Arch. Gynecol. Obstet. 287; 951,2013)。何故なら、歯肉強化療法をチャンと実施すれば、1週間以内に歯肉出血を改善することが出来るからだ。今までの治療法では、4週間しても歯肉強化療法には追い付いていない(Cakilci et al., Intern. J. Oral Health, 5: 17, 2009)。
歯肉出血部位は潰瘍ができていて、口腔内細菌の血中移行の場所になっている。また、レッドコンプレックスの格好の棲み家でもある。歯肉出血を止めることが出来れば、レッドコンプレックスの増殖は抑制できるし、炎症性分子の血中移行も抑えられる。したがって、動脈硬化や慢性疾患の発生防止に貢献できる可能性が高い。
健康増進歯科を普及させたい。