コラム

新型コロナウイルス感染症の重症化に歯周病菌が関与

歯周病菌が新型コロナウイルス感染症を重症化する

日本歯科医師連盟のポスターに以前、歯肉出血と歯周ポケットの潰瘍との関係が記載されていた。今回のポスターには歯周病菌が新型コロナウイルス感染症の重症化に関与していると書かれてあった。また、インフルエンザに罹りやすくするとも書かれてあった。歯周病菌が感染症の悪化に関与している報告は結構たくさん出ている。そして、歯科検診を受けるように勧めている。大切なことだと思う。

歯周病菌を無くす

歯科検診を受けた後、歯周病菌が無くならなければ感染症の悪化を防止することはできない。しかし、ブラッシングや歯石除去などで歯周病菌を無くすことはできない。細菌の大きさを米粒(5mm)に例えると歯ブラシの毛先の直径は複合型のコピー機(1m)に相当する。誰も米粒をコピー機で取り除こうとは思わない。米粒(細菌)を取り除くのに適当な道具はないので、不可能だ。

歯肉出血がある歯周ポケットの中は歯周病菌の恰好な棲み家で、歯周病菌が一匹でもおれば、すぐに増殖してしまう。細菌が取れたと信じているだけでは歯周病は再発する。今はそんな状態を繰り返している。

兵糧攻め

不都合な細菌をやっつけるのに、直接殺菌する方法もあるが、栄養源を断ち切って兵糧攻めにする方法もある。歯周病菌は増殖するのに血液を必要とするので、歯周ポケット内の血液成分を無くす方法が良い。歯肉出血を止めればよい。

歯肉出血を止めるには「つまようじ法」

「つまようじ法」をすれば、保存療法であるOne-stage Full-mouth Disinfection と比較して、1週間で有意差が出るくらい歯肉出血が抑えられる。しかし、「つまようじ法」はやり方が難しいのが欠点。TAPGを使ってもらえたら効果が出るでしょう。